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リペアからユニタスへ。進化の旗を掲げて

2025年8月、株式会社リペアは「株式会社ユニタス」へと社名を変更。長年にわたり賃貸物件の原状回復工事を中心に信頼と実績を築いてきた同社は、意匠建築や家具製造、外壁塗装といった多岐にわたる事業展開を進め、新たなステージへと踏み出した。
本記事では、代表取締役社長・渡會竜也氏、取締役・梅田穏氏に、社名変更の背景や今後の展望についてじっくりと話を伺った。

・「リペア」の限界と「ユニタス」への進化

ー今回の社名変更の背景を教えてください。
渡會:これまで「リペア」という社名のもと、年間1万3,000件以上の原状回復工事を担ってきました。
おかげさまで価格、品質、スピードにおいて多くの管理会社様から評価をいただいています。

ただ一方で、意匠建築、外壁塗装、防水工事、什器や家具製造など、私たちが手がける事業領域は着実に拡大しており、「修繕業者」という枠組みではその多様性や創造性を十分に伝えきれないと感じていました。
加えて、社内では世代交代も進み、多様なプロジェクトが同時並行で進む今、会社の方向性を一つに束ねる象徴的なブランドが必要だと考え、リブランディングを決断しました。

ー「ユニタス」という社名に込めた思いとは?
渡會:「UNITAS」は、「UNI(結束)」と「TAS(積み重ねる)」を組み合わせた造語で、“結束し、信頼を積み重ね、共に成長する”というメッセージが込められています。
私たちのパーパスは「挑み、つなぎ、創る」。この新しい社名は、その行動の連鎖を象徴し、建設業にとどまらず、人と人、地域と地域、そして未来をつなぐ存在でありたいという想いを体現しています。

・4つのUNIが示す未来志向の価値観

ー「ユニタス」のロゴには、4つの“UNI”が込められているそうですね?

渡會:はい。このロゴには、次の4つの価値観を込めています。

  • UNION(結束と協力)
  • UNIQUE(独自性)
  • UNIVERSAL(総合力)
  • UNISON(調和)

これらは、私たちの多様な事業がただ存在しているのではなく、互いに影響を与え合い、調和と連携によって新しい価値を生み出していくという姿勢を示しています。

・組織構造と事業展開

ー新しい体制について教えてください。

梅田:事業構造を再編し、現在は5つの事業部体制になっています。

・総合リフォーム事業部:旧リペア事業を基盤とし、短工期と高品質を両立。

※この事業部が、旧社名であるリペアを屋号として踏襲しております。

・意匠建築事業部(ORGAN CRAFT):住宅や店舗の空間設計、用途変更にも対応。

・家具・建具製造事業部(CHROMA等):特殊什器の開発から一括施工までワンストップで提供。

・外壁塗装事業部:建物維持管理、機能性向上を主目的とした外壁・外構の改修事業

・ISS事業部:DX(デジタルトランスフォーメーション)とBPO支援を通じて業務の効率化を推進。

ー役員体制にも変化があったそうですね。

渡會:そうです。
株式会社クロマの吸収に伴い、梅田を新たに取締役として迎え入れました。
現場感覚に強く、多角化の推進役となれる彼の存在が、これからのユニタスに必要だと感じたからです。

・両氏が見据える未来

ー今後、ユニタスとして挑戦していきたいことは?

渡會: 私たちは、原状回復・リノベーション・意匠建築・家具製造・外装といった既存の事業領域をさらに横につなぎ、暮らしに関わるあらゆるサービスと接続していきたいと考えています。
住宅設備やメンテナンス、空き家・中古流通、カルチャーや地域再生といった領域にも専門チームをつくり【施工のインフラ企業】として機能する——そんな全体像を描いています。
建築や不動産というカテゴリーの内側に閉じるのではなく、むしろそこを起点に暮らし全体の施工プラットフォームへ拡張していきます。
また、オリジナル家具の開発や、リノベーションに関連する情報発信メディアなど、ここは我々の個人的な願いも入りますが、日本酒・ウィスキーといったクラフト商品の事業にもチャレンジしていきたいですね~(笑)

梅田:まずは、空き家の利活用や地域単位での管理の仕組みづくりなど、社会課題に対して事業として向き合っていきたいと考えています。
建築や施工の技術を活かしながら、地域にとって実用的で継続性のあるモデルをつくることが目標です。
その上で、個人的には、建築とカルチャーが交わるようなスナックやレコードバーの再生など、街の魅力や人の営みを“編集する場づくり”にも挑戦してみたいと思っています。

ー今後、注力していく事業や取り組みについて教えてください。

渡會:現在、各事業部で多角的に戦略を立てています。
例えば、総合リフォーム領域では、「工期圧縮」によるスピード最大化を柱に、高齢化社会に対応した新しい付帯サービスの開発や、従来あえてやってこなかった立会清算などの新サービスを全国展開していきます。

意匠建築領域では、不動産売買との連動による提案力の強化や、逆送客の仕組み構築(送客循環の仕組み構築)に注力します。
外壁領域では、宅配ボックス設置やセキュリティ強化、大規模修繕などを対象に、コンサルから施工まで一貫した体制を構築中です。

梅田:製造領域では、これまで同様、職人による高品質なものづくりを大切にしながら、製品開発と協力工場のネットワークを拡充しています。
また、クロスOJTの導入や、品質基準の整備を通じて、社内外での連携をさらに強化していきます。

加えて今後は、AIの活用や業務の自動化を進め、DXの中核機能として社内全体の生産性を高めていく予定です。
こうした取り組みを通じて、ユニタスは単なる工事会社ではなく、不動産に関わる施工領域すべてを担う「施工のインフラ企業」へと進化していきます。

ー5年後・10年後のビジョンを教えてください。

渡會:まず5年後には売上90億円を目指し、原状回復・リノベーション分野で全国的なプレゼンスを確立します。
10年後には、30の事業カテゴリを展開し、施工業界におけるインフラ企業として、日本全国120万戸のお客様と接点を持つ施工インフラ企業を目指します。
そして国内展開にとどまらず、グローバル展開も視野に入れています。

梅田:建築に限らず、暮らし全体を支えるサービスを多面的に展開していきたいと考えています。
テクノロジーの進化と共に、既存サービスの価値も高め続けたいです。

ー最後に、社員や関係者に向けてメッセージをお願いします。

渡會:今回のリブランディングは、単なる社名変更ではなく、“挑戦の宣言”です。私たち経営陣は、社員が安心してチャレンジできる環境をつくっていきます。
恐れずに、前向きに、未来へ向けて進んでほしいと願っています。

梅田:お取引先やパートナー企業の皆様には、今後も誠実かつ透明性ある対応を徹底し、スピードと品質を両立したサービスを提供することで、「共創のパートナー」としてあり続けたいと思っています。

株式会社ユニタス

代表取締役社長 渡會竜也(写真左)
■Profile

地元・山形で漁師としての経験を積んだ後、都内のアパレル会社に勤務。ショップ運営やブランド展開などに携わる。2010年、株式会社リペアに入社。数多くの営業所の立ち上げに関与し、総合リフォーム事業部の事業責任者に就任。2014年より意匠建築事業部を立ち上げ、事業責任者を兼任。2023年1月、株式会社リペアの代表取締役に就任。2025年8月、社名を「株式会社ユニタス」へと変更。

取締役 梅田 穏(写真右)

■Profile

テナント施工管理会社での施工管理経験を経て、趣味であった音楽に関わる仕事を選択。音楽に関する幅広い知識を活かし、レコード店(DISK UNION)に勤務。2011年4月、株式会社リペアに入社し、営業部に配属。鶴見店の責任者を務めた後、2017年8月には外装リノベーションを軸とする新部署「家町装飾(いえまちそうしょく)」を立ち上げる。2025年8月、株式会社ユニタスの取締役に就任。

株式会社ユニタス 代表取締役社長 渡會竜也 & 取締役 梅田 穏

Vol. 47 Repair -後編-
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